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はぐれ携帯 純情派
今の携帯を使って丁度2年になる。

携帯業界の入れ替わりも激しいもので、
2年選手の機種ともなれば、もう発売さえされていない老朽携帯と呼ぶに
十分な品物になってきている。

しかし、古い携帯を使っているからといって、
これといった不便を感じる事はなかった。

今までは、だ。


以前、初めて知り合った人と連絡先を交換しようと携帯を取り出したら
「赤外線で」と言われた。

ほぅほぅ、なかなか小洒落た技を使ってくるわい、と思いながら
こちらもピコピコ設定を押して赤外線機能を探してみるも、
ズラリと並んだ設定画面には、赤外線の「せ」の字もない。

おやおや、これはおかしいわいと思いながら、
さらにべコべコ押して探してみるも、やはりどこにも見当たらない。
それどころか、赤外線を送受信するであろう場所さえ本体には確認できない。
やむを得なくその場は携帯の画面を見せて
直接入力する事で連絡先を交換したものの、どうも腑に落ちない。

帰宅後、取説を読みあさってみてもそれらしい項目はなく、
仕方がないのでカスタマーセンターに電話して事情を説明すると、
電話の向こうでオペレーターの女性はキッパリこう言った。


「その携帯に赤外線機能は付いておりません」


彼女の言葉に迷いはなかった。

この段階にもなると薄々は感じていたものの、
今時の携帯には標準装備だと思っていた赤外線機能が付いてない事は
僅かながらもショックだった。

でも、だからといってなんなんだ。

人間生きていく中で、
赤外線機能を使う必要に迫られる時がどれだけあるというのだ?

僕の頭の中にあるCドライブには、
赤外線機能というのは「あったら便利だけど、なくてもいいよねフォルダ」
に振り分けられている。
そんな位置付けでしかなかった。

今までは、だ。


しかしどうだろう、殆ど出番はないだろうと思われた
赤外線機能を必要とされる機会は、その後も度々訪れ、
その度に自分一人は直接入力というアナログ的な方法をとるしかなかった。

自動販売機で「おでん」も買えるこの時代にだ。



「彼女いない歴」に次いで長い付き合いになってきていたこの携帯とも、
そろそろお別れの時が来たようだ。



南無三。
by cultstar | 2008-03-20 13:59 | 日々笑進
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