脚本家として何が伝えられるかを考える。        by 三好昭央
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それでも僕はやっていない

「それでも僕はやっていない」を鑑賞。

しかも朝一から、そしてソロ(一人)で。
初回にも関らずかなりお客さんが入っていた。
僕はピン(一人)だったので通路側の端に座った。

気付くといつの間にか四方をおばちゃんで囲まれていた。
前後も左右もおばちゃんだらけ。
オセロなら僕もおばちゃんになっていたところな訳で。






まだ上映前の明るい劇場内、
隣に座っていたおばちゃん3人グループは特によく喋った。

僕はロビーで取った数枚の映画のチラシを眺めながら、
それとなくおばちゃんの話に耳を傾けた。

おばちゃん達は「今はこの映画が話題だから!」という事を頻りに繰り返し、
そのうち話題は「内藤さん夫婦がロマンスカーに乗った」という話に
切り替わっていった。

どうやら内藤さんというのは、おばちゃん達の仲良し友達らしく、
お正月に旦那さんと箱根へ温泉旅行に行った話を聞かされたようだった。
そしてその時に乗ったロマンスカーがとても快適で
素敵な旅行だったという話を内藤さんから聞いたのだという。

それに対して3人のおばちゃん達は

「私も乗った事がないわ」
「あら、私だってないわよ」
「二階もあるんですってよ」

という事を口々に喋っている。
「僕だって乗った事はない」 チラシを捲りながら思った。

次に話の中に登場したのは内藤さんの息子だった。
内藤さんには大阪の大学に通っている息子がいたのだ。
その息子に彼女が出来たらしい、という話をしている所で
アナウンスが流れ場内が暗くなった。


映画が始まる。


おばちゃん達のお喋りも止まった。
とても中途半端で終わった内藤さんの息子の彼女の話も気になるが、
ここは映画に集中する事にした。


ストーリーは電車の中でやってもいない痴漢容疑をかけられた
男が無実を潔白する為に法廷で争う、という内容。

「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」で有名な
周防正行監督の11年ぶりの新作。
3年もの歳月をかけて取材したというだけあって、
本当にリアルな法廷シーンでのやりとりがメインだった。

確かに評判通り面白い。
いや、面白いというより考えさせられる映画だった。
きっと今の日本の裁判の現状を正直に映し出しているのだろう。
真面目なテーマで話は進みながらも、時折、クスッと笑える箇所もあり、
僕の周りのおばちゃん達は、誰よりも先に高らかに笑っていた。

男に生まれてきた以上、いつどこでこの映画のような
誤解を招かれる状況に自分が立たされないとも限らない。
裁判の裏側を知るという勉強の為にも、今後の参考の為にも、
男女問わず一度は見ておいて損はない映画だと思いました。


この映画の2時間半は、きっと大きな意味がある。


最後に流れるエンドロールを見ていたら、
知っている役者の名前がチラホラ。

クソッ!いつの間に、そしてどのシーンに・・・。

僕も頑張って第2のリア・ディゾンになってやる。


エンドロールが終わらぬうちに、おばちゃん達は席を立つ。
僕はアン(一人)で一番端に座っていた為、
何度も体を屈めながら足元の僅かなスペースを開ける。

上映前に話していた内藤さんの息子の彼女の話はどこへやら、
おばちゃん達が小声で話す次の話題は
「ランチをどこへ食べに行くか」というものでした。

帰りの電車で、特に満員電車でもないにも関らず、
念には念をと両手でつり革に摑まり、
アニータ さんの事を考えながら帰った。
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by cultstar | 2007-02-01 11:20 | オボエガキ
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