脚本家として何が伝えられるかを考える。        by 三好昭央
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オーディションに向かう途中で素敵な出会い
0321 AM12:30

この日は映画の最終オーディション。

会場に向かっている途中で若干道に迷ってしまいました。
しばらく地図を見ながら考えていましたが、
オーディションなどでは絶対に遅れる事は出来ないので、
直に誰かに道を尋ねる事にしました。

自分では特別激しい方向オンチではないつもりですが、
毎回オーディションでは様々な場所に行く為に、
初めて訪れる土地も多く、それゆえに例え地図を持っていたとしても
道に迷う事も少なくありません。
なので近くに交番がない時などは、
人に道を尋ねるのが随分上手くなりました。



僕が人に道を尋ねる時に決めているポイントは次の5つ。


① 男性よりも女性
② 通行人よりもお店の人
③ 話し方は出来るだけ丁寧に
④ 必ず地図を見せながら聞く
⑤ 最後は気持ち悪いくらいに満面の笑みでお礼を言う


大体こんな感じです。


①はやはり男性と比べて女性の方が比較的に
突然の見知らぬ男の質問に対しても物腰がやわらかいと感じる為。

②は通行人だとその地域の住人ではない可能性があるので
近所の地理を把握している地元のお店の人だと解答率が高い。

③はこの場合に限りませんが、やはりこちらが伺っているので
丁寧な聞き方を心がけます。

④は例え地元住民でも中にはその場所を知らない人もいるので、
地図を見せながらの方が他の目印なら教えてもらえる場合があるからです。

⑤あくまでも「私は怪しい人間ではありませんよ」という事を
最後まで全面にアピールする事が大切です。


こうしてこれら5点を踏まえて道を尋ねると、
大体の人は快く教えてくれます(三好調べ)

なので今回も近くにあった花屋さんの店頭で
お花を並べていた女性に道を尋ねる事にしたのです。
この時点で①と②はクリアです。
特に『花屋さんで女性に道を聞く』なんて行為自体が
なんだか少しドラマチックな予感がします。
恋愛ドラマなどではこんな場面で
運命的な出会いなんてものがあったりするものです。

そんな事を考えていると、
頭の中ではどんどん勝手なイメージが膨らんでいきます。

そして花屋に辿り着くまでには妄想の世界の中では、
運命的に出合った二人(相手の顔は不明確)はやがて結ばれ、
沢山の花に囲まれて幸せそうに手を繋ぎ、
真っ赤なバージンロードを照れくさそうに歩いていました。

たかだか道を尋ねるくらいで
ここまで妄想を膨らませている自分が少し病んでる気もしますが。


とにかく花屋に向かったのです。
段々とお店に近付いていくと、店頭でお花を並べていた女性の容姿が
次第にはっきりとしてきました。
その女性は40代後半(推定)かと思われる雰囲気で
顔にはお化粧なども施してなく100%すっぴんさん。
ショートの髪は寝起きなのか激しい寝癖で、
昨夜に嫌な事があって深酒したのかと思う程に
お顔がパンパンにむくんでおられました。


先程までの頭の中の妄想が静かに幕を下ろします。


そして僕はその女性に

「お仕事中にすみません。少し道をお尋ねしたいのですが・・・」

と大切な③を心がけながら話し掛けたのです。
そして次の瞬間、彼女は振り向きながら言いました。














「あ゛ぁ~?」












確かにそう仰いました。
文字で表現するのが難しいのですが、
感覚的には『が』と『ば』の中間くらいで
とても50音では発音不可能だと思われる
濁った破裂音を発しながら、眉間に深く皺を寄せた顔で
振り向いて下さったのです。

それにはさすがに少々驚きましたが、
相手も急に見知らぬ男に話し掛けられたので
ビックリしたのかもしれませんし、
たまたまその時は機嫌が悪かっただけなのかもしれません。
なにより人を見た目で判断してはいけないのです。

僕は慌てず④を守りながら

「この場所に行きたいのですが、こちらの方向で合っていますしょうか?」

と向かう方向を指差し聞きました。
すると彼女は一瞬地図を覗き込むも、
直に背を向けると再び花を並べながら面倒くさそうに


「あっち゛!!!」


とだけ言って反対方向を指差して教えて下さいました。
僕はそんな頼もしい彼女の様子を見て、
これ以上聞いても無駄だご迷惑になるかと思い、
⑤の笑顔で「どうもありがとうございました」とお礼を言うも、
まったく見向きもすることなく花を並べる彼女。
僕の笑顔も固まります。




お忙しいのでしょう。





僕にとっては上記5点を全て踏まえた上での
彼女へのコンタクトだったですが、
答えてくれたのは「あ゛ぁ~?」と「あっち゛!!!」の二言のみ。
決して学校では教えてくれないわずか合計5文字の言葉が全てでした。









きっとお忙しいのです。









僕は静かに彼女の背中に頭を下げると、
とても分りやすく教えてくれた方向に向かって歩き出し、
後は自力で目的地に辿り着きました。

やはり今回も5つのルールを見事に守った甲斐があり、
無事に道を教えてもらう事が出来ました。


今回のようにかなりお忙しい人に対しても有効です。
みなさんも是非お試しあれ。



自爆する恐れのある一人よがりな危険な妄想はしばらく封印します。

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by cultstar | 2006-03-23 09:56 | 映画な男
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