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ある俳優と僕と
先日、某有名若手俳優と食事を共にする機会があった。

いつもお世話になっている監督に誘って頂いた食事会での席の事。
監督と交流のあるその俳優を含め、
馴染みの顔が何人も集まっての鍋パーティー。

以前から監督から何度となく彼の話は聞いていたが、
実際にお会いするのは初めてだった。



歳も僕と殆ど変わらない彼は
誰もが知っている程に知名度があり、
何年も第一線で活躍している有名俳優。
明らかに自分よりも一段高い所を走っている人。

そんな彼が普段はどんな性格で、どんな事を考え、
どんな思いで仕事をしているのかずっと興味があった。
勝手な想像だが「ある種特有の壁」があるのではないかとも思っていた。

でも実際に会ってみると本人はそんな素振りはまったく見せず、
監督が以前から言っていた通り「本当に気さくな兄ちゃん」だった。

そんな彼と話しながら「このメジャーな俳優と自分とは何が違うのか?」
という事をずっと考えていた。


彼にあって自分に無い物はなにか?


勿論、人間的な性格の違いなどはあるにせよ、
俳優として彼がずっと第一線で活躍し続ける事が出来る秘密を知りたかった。
彼の出演作を何本も観ているが自然な演技はとても上手い。
その「ナチュラルさ」が彼の魅力だと思う。
でもそれ以外に彼には何かがある。
だからこそ今のポジションがあるのだろう。
それを必死に考えていた。


でも結局分からなかった。


お酒を飲みながら楽しそうに話す彼の姿は、
俳優としてテレビやスクリーンで見せるその顔ではなく、
あくまでもプライベートを楽しむ「気さくな兄ちゃん」だったから。
またそんな一面も彼の魅力なのだろう。
そして考えている事にもさほど大きな違いはないのを感じた。


俳優を含め芸能界という特殊な世界で活躍する人間は
個人商店を開いているようなものだと思う。
そこからフランチャイズを展開していくオーナーになるのか、
大手スーパーになるのか、独自の経営方針を貫くかは自分次第。

お店を取り巻く多少の環境の違いはあるにせよ、
結局は己の魅力で勝負するしかない。

小さな個人商店が、大手スーパーとの品揃えを比べても仕方ない。
ならば自分でオリジナルの商品を開発すればいい。
大手スーパーにはないサービスをすればいい。
直球のスピードで負けているのであれば、変化球で勝負すればいい。
僕は独自の路線で自分のお店の売り上げを上げる事だけを考えればいい。


そして必ず結果を出してみせる。


きっと彼自身も今までそうやって戦ってきたのであろう。

目の前でにこやかな笑顔で楽しそうに座っている
とても気さくでそれでいて恐ろしく男前で、
そしてなによりも魅力的なその俳優を見ながら、
「絶対に負けないよ」 と心の中で何度も呟いた。



久しぶりに真面目な記事を書いたら少し気分が悪くなった。
by cultstar | 2006-02-01 12:36 | 日々笑進
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